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山岳トンネルやダムで使用する火薬類のデジタル帳票を開発

~紙から「eYACHO」によるスマート管理で帳票作成時間を75%削減~

株式会社MetaMoJi(本社:東京都港区、代表取締役社長:浮川和宣)は、株式会社大林組(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤俊美)と共同で、施工管理アプリ「eYACHO(※1)」を活用して、建設現場で使用される火薬類のデジタル帳票を開発し、帳票作成時間の75%削減を実現しました。

1.開発の背景

山岳トンネルやダム工事では、岩盤掘削に火薬類を用いた発破を行うことがあります。この火薬類は、火薬取締法の枠組に従って業界団体が自主的に定めた管理基準に則り、多くの種類の伝票や帳簿などの火薬類管理帳票を用いて安全に管理されています。経験と資格を持つ技術者・技能労働者が火薬類の保管場所や使用場所などの複数箇所の間のやり取りすべてを手書き・カーボン複写で記録し、サイン・捺印で確認・承認を行う、紙を用いた管理が行われてきました。
そこで、近年の人手不足や業務効率化の必要性を背景に、建設現場で利用できる火薬類のデジタル帳票を開発しました。

2.本デジタル帳票の特長

(1)施工管理アプリ「eYACHO」をベースとした帳票

本帳票は、タブレット端末などで様々な書類をペーパーレス化するとともに、クラウド経由で情報共有できる施工管理アプリ「eYACHO」を基盤としています。「eYACHO」は、タブレット端末などで建設現場の様々な書類をペーパーレス化するとともに、クラウドを介して情報共有を行えるアプリで、750社以上の建設会社、75,000人以上のユーザーが使用しています。この「eYACHO」上で、19種類の火薬類管理帳票をデジタル化しました。

火薬管理帳票の例

(2)円滑な移行と管理の効率化

多くの現場で使われている一般社団法人日本建設業連合会の「火薬類管理自主基準」に基づいた書式を採用し、従来の紙帳票から違和感なく移行できるようにしました。
また、基本入力フォームに記入するだけで、自動的にチェック済みデータが各帳票へ転記される仕組みとなっており、帳票作成者の利便性を向上し、技術者・技能労働者の負担軽減に寄与します。試行では、作成時間を75%削減するとともに、各帳票への転記ミス、計算ミスといったヒューマンエラーも防止できることを確認しています。

トンネル内で火薬を装填する様子

「eYACHO」で火薬類管理帳票を作成している様子

(3)情報共有の迅速化、安全性の向上

入力データはクラウド上で管理され、リアルタイムに承認・閲覧が可能となっています。紙での持ち運びが不要となり、関係者間での情報共有を効率化します。また、セキュリティ、トレーサビリティの向上により、法律で定められている保存期間に対応した適切なデータ管理を実現します。

「eYACHO」上での火薬帳票のデータ共有イメージ

(4)今後の展望

本デジタル帳票は3つの現場で試行され、生産性向上に寄与することが確認されました。国土交通省の掲げるi-Construction2.0(※2)が目指すデジタル化・ペーパーレス化に貢献し、また、火薬使用量などのデータを施工管理に活用できることから、このデジタル帳票の導入を支援することで、建設工事におけるDX化に貢献していきます。

MetaMoJiは、これからも、お客様の業務データを高度に連携し、業務に最適な設計を共に描き、現場にフィットした業務革新を支援してまいります。

※1 eYACHO
株式会社MetaMoJiが、建設業界で用いられる「野帳」をベースに大林組と共同開発した建設業界向けアプリ。施工管理業務のノウハウや課題解決手法を取り込み、手書きで利用でき、図面や資料のペーパーレス化、リアルタイム共有機能を利用した遠隔地間でのコミュニケーションなど、従来の野帳の手軽さはそのままに、デジタルの特性を活かした管理機能により、発売以来750社7.5万人以上に利用されている。

※2 i-Construction2.0
2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上することを目指し、「施工のオートメーション化」、「データ連携のオートメーション化」、「施工管理のオートメーション化」を3本の柱として、建設現場で働く一人ひとりが生み出す価値を向上し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く生産性の高い建設現場の実現を目指す、建設現場のオートメーション化の取り組み
出典:「i-Construction 2.0」を策定しました~建設現場のオートメーション化による生産性向上(省人化)~(国土交通省)

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